突然ですが、背筋が凍るような恐怖体験に魅力を感じたことはありませんか？ 日常では味わえない極限の恐怖を、安全に体験できるのが良質なホラー映画の魅力です。 特に近年は、従来の単純な驚かし演出から進化し、心理的な恐怖や社会的なテーマを織り込んだ作品が増えています。 今回は、怖いもの見たさな方に向けて、心に刻まれる恐怖体験ができる厳選作品をご紹介します。 伝説のクラシック作品 過去数十年にわたり、観る者の心に深い恐怖を刻み続けてきた不朽の名作をご紹介します。 シャイニング（1980年） スタンリー・キューブリック監督が放つ不朽の名作です。 孤立した冬のホテルで起こる怪奇現象と、狂気に染まっていく家族の姿を描いた本作は、今なお色褪せない恐怖を届けます。 ジャック・ニコルソンの狂気的な演技は、見る者の心に強烈な印象を残します。 特に廊下に溢れ出す血のシーンや、雪の迷路でのクライマックスは、ホラー映画史に残る名場面として語り継がれています。 エクソシスト（1973年） 悪魔憑依をテーマにした本作は、公開当時から社会現象を巻き起こしました。 少女の体を乗っ取る悪魔と、それに立ち向かう神父の戦いを描く展開は、今見ても強烈なインパクトを残します。 リアルな特殊メイクと演出は、現代のCG全盛期でも色褪せていません。 当時の観客が失神や嘔吐を起こしたという逸話も残る、まさにトラウマ級の作品です。 宗教的なテーマと人間の深層心理を巧みに組み合わせた脚本も、本作の魅力を高めています。 新世代のホラー傑作 2000年以降、新たな視点と表現手法で恐怖を描く作品が登場しています。 ヘレディタリー／継承（2018年） アリ・アスター監督が贈る、新時代のホラーの金字塔です。 家族の呪いと遺伝的な狂気をテーマに、じわじわと追い詰められていく恐怖を描きます。 トニ・コレットの熱演も相まって、観る者の精神を揺さぶります。 家族関係や遺伝の問題など、現代社会が抱える不安要素を巧みにホラー要素として昇華しています。 特に予想外の展開と、それに続く異様な儀式のシーンは、多くの観客のトラウマとなりました。

はじめに 映画界の鬼才エドガー・ライト監督が、これまでにない新境地を見せた意欲作が『ラストナイト・イン・ソーホー』です。 1960年代のスウィンギング・ロンドンと現代を行き来する斬新な設定と、サスペンス要素とホラー要素を絶妙にミックスした展開で、世界中の観客を魅了しています。 本作は2021年9月、第78回ヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア上映され、大きな反響を呼びました。 物語の背景 舞台設定 物語の舞台となるのは、ロンドンの歓楽街として知られるソーホー地区です。 1960年代、この地区は音楽やファッション、アートなど、若者文化の中心地として最も輝いていた時代でした。 しかし、その華やかな表面の下には、暴力や搾取といった暗部も存在していました。 時代背景 1960年代のロンドンは、ビートルズを筆頭とする音楽シーンの爆発的な盛り上がりや、ミニスカートに代表されるファッション革命など、若者文化が花開いた時代でした。 本作は、その時代の光と影を丁寧に描き出しています。 現代のファッション専門学校を舞台にしつつ、60年代への郷愁を効果的に織り交ぜることで、二つの時代を対比させています。 ストーリー詳細 第一幕：夢の始まり ファッションデザイナーを目指すエロイーズは、故郷の田舎町からロンドンへと上京します。 60年代の音楽とファッションを愛する彼女は、大きな期待を胸に専門学校へ入学します。 しかし、都会の生活や同級生たちとの関係に馴染めず、学生寮を出ることを決意します。 ソーホー地区の古い屋敷で一室を借り、新生活をスタートさせたエロイーズ。 その部屋で彼女は、不思議な夢を見始めます。 第二幕：もう一つの人生 夢の中でエロイーズは、1960年代のソーホーへとタイムスリップします。 そこで出会うのが、歌手を目指す美しい女性サンディです。 エロイーズは夢の中でサンディと一体化し、彼女の人生を追体験していきます。 華やかなナイトクラブでのショー、恋人ジャックとの出会い、夢への希望に満ちた日々。